こんにちは、バイブです。
(実際に購入したのはだいぶ前にはなりますが)マクドナルドのキーボードを手に入れたのでその話をしていこうと思います。
もくじ
自分について
好きなもの→アニメ、ドナルド、キーボード
自作キーボード→4年ほどやっている
これまでキーボードに使った金額→絶対に100万円で済んでいないことだけは確かで…
マクドナルドのキーボードって?
これは正式にはMC65というキーボードです。(今後はMC65と呼んでいきます)
カスタムキーボードと呼ばれる自分でパーツを選んで組み立てるタイプのキーボードで、マクドナルド公式のものではありません。
本体はアルミ削り出しでできていて裏面にはキーボードの重量を増やして打鍵中の安定感を上げるための重り(一般的にはウェイトと呼ばれています)が入っています。
本体の写真はこんな感じです。
裏面
マクドナルドのマーク部分はポリカーボネートと真鍮の2種類があり、ポリカーボネートのパーツを入れているとLEDの光を通してMが光ります。ちなみに設定でLEDの色を変えることもできます。
マクドナルドには間違いなく許可を取っていないのにも関わらず右上にはマクドナルドのマークが光っているし裏面には目線の入ったマクドナルドキャラクターズが微笑んでいるという本当にありえないキーボードなのですが、その秀逸なデザインとキーボードとしての完成度の高さによって人気なキーボードの一つです。人気なはずなのに国内で持っている人は推定3人なんですが…
ちなみに詳しい人向けにお伝えしておくとマウント方式はトップマウントです。バーガーマウントにもできるらしいけど僕はトップマウントで組みました。
また、MC65はこの世界に2種類存在しています。
1つ目はPerry氏がデザイン・販売を行った初代MC65です。
Perry氏はカスタムキーボード界においてはかなり人気なデザイナーの一人で、MC65以外にもKHDD(K Hunnie Duel Disk)などの特徴的なキーボードをデザインしています。
こちらの販売は2021年に行われたのですが、キーボード本体以外の特徴として最初の販売において購入権がマクドナルドの早食いのタイムが早かった人に与えられたということが挙げられます。
Bisoromi Special(有名なキーボードデザイナーであるBisoromi氏が考案したセットなんだと思います)を食べている様子を撮影してタイムが早かった上位5名に購入権が与えられました。
Bisoromi Specialの内容はこのような感じです。
ちなみにカロリーは以下のような感じ。
1x Deluxe Double Quarter Pounder with Cheese: 773kcal
1x Large Fries: 444kcal
20x Chicken Nuggets w/ sauce of choice: 869kcal
2x Apple Pies:486kcal
1x Large Diet Coca Cola or Coca Cola Zero: 0kcal
合計: 2572kcal
えっ?
ちなみに日本で倍ビッグマックのセット(ドリンクはコカコーラゼロ)を注文した際のカロリーは1245kcalなのでその倍以上です。そこそこ大食いの人でも完食すら難しいレベルだと思います。
この量ですが一番早かった人は4分半で完食しており、購入権を手に入れるには遅くとも7分台前半のタイムが必要だったみたいです。ありえなさすぎる
こちらのキーボードは入手難易度もかなり高く、一時期は2000ドル以上、現在でも900ドル程度の相場となっています。(そもそも中古相場に全然出回らないので割と言い値のところはあって…)
2つ目はShuangmu氏によって販売された二代目MC65です。こちらはカスタムキーボードコミュニティにおける最も有名なデザイナーの一人であるShuangmu氏がPerry氏から製造権を購入して販売したものです。中国限定での販売が行われたことがあるため中国での流通量が多いみたいです。
キーボードの仕様が結構変わっており、初代はウェイトがステンレス製なのに対してこちらは真鍮製であり、キースイッチを固定するプレートは黄色からシルバーへと変わっています。
真鍮はステンレスより腐食しやすいというデメリットがありますしシルバーより黄色のプレートの方がマクドナルドっぽいので初代の方が人気だったりします。
僕が今回手に入れたのはこっちの方です。初代も欲しくて探してるけど全然市場に出回らん!
ちなみにこれ以外に中国市場には偽物のMC65が存在しています。ブートのキーボードの偽物って何?
手に入れるまでの流れ
僕はドナルドとマクドナルドが大好きなのでこのキーボードの存在を知った瞬間からずっと欲しいと思っていました。自分でドナルドのシールを作ってる人間がマクドナルドのブートキーボードを欲しがらない訳がないだろ!
しかしShuangmu氏が行った抽選販売では外れてしまい…Perry氏によって作られたバージョンもアフターマーケットでの相場があまりにも高すぎる(しそもそも出回らない)ことでなかなか手が出せないでいました。
…だったのですが、闲鱼(Xianyu)という中国版のメルカリのようなサイトでは先述の理由でMC65が結構出回っており、代行業者を使って輸入すればShuangmuさんが販売した二代目MC65であればそれなりに安価で手に入ることが判明しました。
しかし闲鱼では偽物のキーボードが平気で売られているような状態で、買ったものが偽物である可能性があるという問題もありました。(一応偽物は説明文に偽物である旨が記載されているのですが、それでもちょっと怖くて…)
そんな中、知り合いの一人が闲鱼でMC65を売っている人と個人的に取引をしたことがあることが判明しまして、販売者の方とDiscordで直接コンタクトを取ることができました。それで細かい商品の状態も確認することができて購入できた形になります。協力してくださったJusteさんとシベリさんには頭が上がりません、本当にありがとうございました………
ちなみに購入価格は3800元(日本円でちょうど8万円くらい)で、代行業者の手数料含めてだいたい85000円で本体を購入した形になります。これなら定価とそう変わらないので結構安く手に入ったな~とすら思っています。
別に全部のカスタムキーボードがこんなに高い訳ではないのですが、生産数が少なくて拘って作られているキーボードを買い始めるとだいたいこんな感じになります。
…なんですが、実は購入したのは2023年末くらいでして…4か月ほど飾ったままで満足してしまっていました。
この辺りは自作キーボードをやっていない人にはあまり理解してもらえないかもしれないのですが、キーボードに狂っている人ってキーボードのスイッチに対して尋常ではない執着を持っているので自分が選んでないスイッチで組んだキーボードは使う気が起きなかったりします。あとキーボードとしてお気に入りすぎてずっと構成を悩んでました。
流石にいつまでも飾っておくだけでもなあ…ということで天下一キーボードわいわい会 Vol.6(自作キーボードの大規模交流イベントのことです)が開催されるのに合わせて組むことにしました。
組み立て
先述したようにこのキーボードは自分でパーツを集めて組み立てる必要があるため、最高のマクドナルドキーボードに合わせたパーツを選定していくことになります。
まずキーキャップはGMK Handarbeitを選びました。これは元々海外の子供用キーボードのデザインをモチーフにして作られたキーキャップなのですが、漂うマクドナルド感からずっとこのキーキャップを使いたいと思っていました。
他にドナい(ドナルドっぽい)キーキャップとしてはGMK Cluckなどが挙げられるのですが、Handarbeitにはグリマスやハンバーグラーの色も含まれていて楽しいのでこちらにしました。
スイッチはCherry MX BlackかCherry MX Brownを使おうと最初から決めていました。
自作キーボードをある程度やっている人からしてみればなんでわざわざCherry製のスイッチ使うの?(他にGateronとかDurockとかあるでしょ)という感じだと思うのですが…僕がキーボードを組む時にはデカくて軽い打鍵音が出るキーボードを作ってナンボという思想があり、そういう点だとハウジングがナイロン製のCherryのスイッチはすごく良かったりします。あと僕は若干摩擦感を感じるところも含めてCherry製スイッチの良さだと思っているので…
自分も理由はよくわからないのですがメチャクチャにカスタムキーボードにのめり込むと半分くらいの人は逆にCherry製スイッチしか使わないようになります。「一周回って」ってまさにこのことを言うんだと思います。
今メインで使っているキーボードのスイッチは機械を使って120万回スイッチを押下することで接点部に摩擦を発生させて押し心地を滑らかにしたCherry MX BlackのスプリングをTX 57g Longという韓国製のものに交換したもの(ここめちゃくちゃ早口で言ってます)でして、MC65も機械で200万回押下したCherry MX Blackで組むつもりだったのですが、使いたいスプリングが手元になかったので持っていたDiamond-Polished MX Brown(研磨剤を使って感触を滑らかにしたCherry MX Brown)を使うことにしました。すごく良いスイッチだったので渾身の一台に使おうと思ってたのですがMC65に使ったのは正解だったと思います。
(詳しい方向けのメモ: TX-Long 55g(リニアは57gでタクタイルは55gがちょうどいいと個人的に思っています) / TX Film / GPL205g0)
前の所有者が既に組み立てているものを買ったので解体するところから始めます。
僕はあまりはんだ吸い取り機などの機材を持っていないので遊舎工房の工作室に行って作業を開始しました。
ネジを外して…
はんだ付けを外してスイッチを取って…
前の所有者がキーボードの中にフォーム(打鍵中の反響音を減らしてコトコトした音にするためのもの)を貼り付けていて剥がすのに難儀しました。
僕はデカい音を出すのがこういうキーボードの醍醐味だと思っているのでフォームなどの小細工は一切しない主義だったりします。
解体が済んだらスタビライザーを装着して自分の使いたいスイッチをはんだ付けして…
最後にキーキャップを装着して…
完成!そんなに難しいことはしてません。
過去10台以上キーボードを組んでいますが今までで一番組み終わった瞬間の喜びが大きかったかもしれません。
感想
メッチャ良い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
マクドナルドの文脈を抜きにしても想像以上に素晴らしいキーボードでビックリしました。音も打鍵感もめちゃくちゃ良いです。
今まではメインでdnworks sblというキーボードを使っていたのですがMC65を組み立ててからはずっとこちらを使っています。それぞれ良い部分はあるのですが今まで組み立ててきたキーボードの中でもこの2台が並んでトップかな~という感じ。
打鍵音はこんな感じです。手持ちのiPad Proで雑に撮ったので音はかなり酷いですが…
絶対音出さないようにしてたのになぜか舌打ちみたいな音入っちゃって…(照)
番外編: 天キーに持っていきました
組み終わった翌日は天下一キーボードわいわい会 Vol.6という自作キーボードの大規模イベント(300人近くが参加していたみたいです)だったので、そちらにキーボードを持参しました。
隣に置いてあるグリマスのソフビは国内でも有数のキーキャップコレクターであるリタリアさんが一緒に置いておいたら面白くない?ということで持ってきてくださいました。ありがたすぎる!
カスタム系の自作に手を出していない方々からは(まさかマクドナルドのキーボードを作って販売する人間が地球上に存在するとは思わないからだと思いますが)これ自分で作ったんですか?って聞かれて違います!!!!って答える瞬間が何度かありました。これ公式ですか?→違います…(照) という会話も3回くらいした記憶があります。
ちゃんとドナルドのステッカーも隣に置いていたのですが皆さん思ったよりたくさん貰ってくれました。ありがとうございます(画像略)
イベントが終わったあとはそのままグリマスのソフビをリタリアさんから貰ってしまいました。マクドナルドの絆に、感謝…
おわりに
ということでマクドナルドのキーボードを手に入れた話でした。いかがでしたか?(クソブログ)
いろいろ書いてきましたがカスタムキーボードコミュニティのさまざまな方に助けて頂いてどうにか手に入れることができました。本当にありがとうございました!!!
今回のキーボードは組むのに総額で10万円以上かかっていますし気安く買えと言える代物ではないのですが、最近は安価なカスタムキーボードも増えてきてリアフォやHHKBなどの市販の高級機+@くらいの金額を出せばかなり良いものを自作できるようになってきています。
お気に入りのパーツを探して自分だけのキーボードを作るのはすごく楽しいですし、自然と愛着も湧いてくるので一度はやってみて欲しいと思っています。
キーボードって結構長い時間使うものですしこのブログを読んでいる自作キーボードをやったことがない方々(いるのか?)は手を出してみてはいかがでしょうか。マジで面白いですよ!
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正直キーボードはMC65で一旦ゴールした感じはあるのですが……まだ初代MC65は手に入れてないですし、最終的にはMatrix 8XV 2.0やOTDなどの深淵に手を出したいところではあるのでのんびりやっていこうと思います。まだ前買ったMoontower V3も組んでないですし…
ここ数日で立て続けに長めの記事を投稿しましたがネタが切れたのでしばらくは絵の練習の月報くらいでしか更新できないと思います。また何か思いついたらがんばります。
おわりです